酒類販売業免許の罰則と取消とは

ちょっと大変!知り合いがやってた酒屋さんがね、お酒の免許を取り消しされちゃうかもしれないっていうんだよ~!どうしよう!!いろいろ酒税法とか他の法律で守らないといけないのがあるのは知ってるんだけど、どれに引っかかっちゃったんだろう・・・?
これをしなかった場合はいくらの罰金とか何年以下の懲役とかってのがいろいろあるなとは思ってたけど、具体的にこれやったら一発でアウトってのがいまいちピンと来てないというか・・・。

確かにいろいろ細かく罰則とかあるからわかりにくいのかもしれないワン。焦る気持ちもわかるけど、少し落ち着くワン。今日は罰則とか取消のことを説明するワン。
酒類販売業の免許の罰則や取消について

今回説明するのは一般の酒類販売小売業者に関してだワン。すごくたくさんあるから、一部を説明するワン。
酒類販売業で違反をした場合の罰則
- 酒類販売業免許を持たずに無免許で酒類販売をした場合
- 酒税法第11条第1項の規定による条件に違反した場合
- 酒税法第18条の規定による申告をしないで酒類販売業をした場合
- 酒税法第46条に規定されている帳簿の記載をしない、偽った内容で記帳する、または帳簿を隠匿した場合
- 酒税法第47条に規定されている申告をしない、偽った内容での申告をした場合

罰則のうちの一部を書き出してみたニャ。この場合は違反してしまったりすると1年以下の懲役または50万円以下の罰金となるニャ。これは酒税法第56条、第58条から抜き出したものだニャ。酒税法第何条の規定とか言われてもわからないだろうから、簡単に説明するニャ。
酒類販売業免許を持たずに無免許で酒類販売業をした場合
- 言葉の通り、免許を受けてないのにお酒の販売業をしたら違反になります。お酒の販売業とは、継続的にお酒を販売することです。
酒税法第11条第1項の規定による条件に違反した場合
- これは、酒類販売業の免許についている条件のことで、一般酒類販売業免許の場合には「通信販売を除く小売りに限る」や、通信販売酒類販売業免許の場合には販売する酒類の範囲について制限があるほか、「2都道府県以上の広域な地域の消費者等を対象とする通信販売」などの条件が付与され、その条件に違反した場合に該当します。第11条第1項には以下のように書かれています。
税務署長は、酒類の製造免許又は酒類の販売業免許を与える場合において、酒税の保全上酒類の需給の均衡を維持するため必要があると認められるときは、製造する酒類の数量若しくは範囲又は販売する酒類の範囲若しくはその販売方法につき条件を付することができる。
酒税法第11条第1項より抜粋
酒税法第18条の規定による申告をしないで酒類販売業をした場合
- これは、販売場を設けていない酒類販売業者(通信販売酒類販売業など)が住所を移転した時には、政令で定められている手続きで移転先を申告しなければいけません。住所が移転した場合にはすぐに申告しましょう。
酒税法第46条に規定されている帳簿の記載をしない、偽った内容で記帳する、または帳簿を隠匿した場合
- 酒税法第46条に規定されている帳簿とは、販売業者の場合、仕入れに関する事項を記帳する帳簿、販売に関する事項を記帳する帳簿のことです。この帳簿は正確に記帳して、税務署の職員が検査取り締まり上で必要と認めた場合には、この帳簿を検査することがあります。帳簿は販売場ごとに常時備え付けが必要で、5年間は保存します。
酒税法第47条に規定されている申告をしない、偽った内容での申告をした場合
- 酒税法第47条に規定されている申告とは、酒類販売業者が販売業を休止や開始をした時には遅滞なくその旨を税務署等に申告しなければならないことと、税務署長が酒税の取り締まり上に必要があると認める時には、酒類販売業者に対して、酒類の購入や販売をしたついて報告を、所持している酒類の数量など政令で定める事項について報告を求めることができます。休止や開始の場合にはできる限り早く「酒類販売業休止・開始申告書」を提出、税務署長から種類の販売先などの報告を求められた場合には「酒類の販売先等報告書」を定められた期限までに提出します。

なるべく簡単に説明してみたけどわかるかニャ。酒類販売業をやるにはいろんな法令が関わってくるから把握するのはとっても大変だニャ。

ムズカシイね~。これでも一部ってことなんだから、酒税法以外の法令の中からもチェックしようとしたらとんでもないことになるよね・・・。覚えるのは大変だからきちんと決められた業務をひとつひとつやっていくことがすごく大事だね。それでも帳簿とかって大変そうだけどね~。

帳簿は大変だろうけど、販売先に関する事項に関しては販売先の住所・氏名や名称は省略できることになってるし、もし仕入れた全部の酒類について仕入れに関する事項が全部記載された伝票を仕入先からもらっておいて、それを5年以上保管するのと、3か月ごとにたな卸をすることを徹底すれば、販売した酒類の数量、販売年月日については3か月を超えない期間の合計数量で一括記帳してもいいニャ。どちらにしても3か月以内でやるのが大事ニャ。
酒類販売業の免許を受けて酒類販売をしていく中での罰則についてご説明しました。他にも細かい決まりがたくさんあるので、注意が必要です。
次は酒類販売業の免許が取り消しになってしまうのはどんな場合かをご説明します。
酒類販売業で販売業免許の取消になる場合
- 偽った内容や、不正によって酒類の販売業免許を受けた場合
- 酒税法第10条第3号から第5号まで、または第7号から第8号までに規定している者に該当することになった場合
- 2年以上引き続いて酒類の販売業をしていない場合
- 酒類業組合法第84条第3項の「酒税保全のための勧告または命令」、または第86条の4の「公正な取引の基準に関する命令」の規定による命令に違反した場合

それじゃ、今度は取消になってしまう場合についてだワン。酒税法第14条に酒類の販売業の取消になる要件がこんな風に書いてあるんだワン。またひとつずつわかりやすく説明していくワン。
取消になった場合は、取消になっちゃったからまたすぐに新しく免許をまたとればいいや~なんて気軽にできないから気を付けるんだワン。
偽った内容や、不正によって酒類の販売業免許を受けた場合
- 酒類の販売業免許を申請するときに必要な「人的要件」「場所的要件」「経営基礎要件」「需給調整要件」が必要になりますが、偽りの内容で申請したり不正を行って免許を取得した場合には、免許が取り消しされます。
酒税法第10条第3号から第5号まで、または第7号から第8号までに規定している者に該当することになった場合
- 酒税法第10条第3号から第5号、第7号から第8号までとは、酒類販売業免許(製造免許も含む)の要件を規定している部分で、免許の申請者が未成年の場合はその法定代理人が酒類販売業免許を持った法人の役員をしていてその法人が免許の取消をされてた、免許の申請者や法定代理人が法人で、その役員の中に取消理由に該当して酒類免許の取り消しをされた人がいた、免許申請者が国税などに関する法令や酒類業組合法、アルコール事業法の規定により罰金刑に処せられた、未成年者飲酒禁止法や暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定により罰金の刑に処せられた、禁固以上の刑に処せられた、その他取消事由に該当することになった場合のことです。詳しい人的要件の説明は一般酒類小売業免許とはに記載しています。
2年以上引き続いて酒類の販売業をしていない場合
- 2年以上、引き続いて酒類の販売業をお休みしている場合には取消要因になります。毎年度末に提出する「酒類の販売数量等報告書」で申告する義務があるので、お休みをしている場合にも申告が必要ですが、2年以上その報告書で販売数量などがゼロになってしまうとチェックされるので、違反をしたりしていなくても取消になってしまう可能性があります。
酒類業組合法第84条第3項の「酒税保全のための勧告または命令」、または第86条の4の「公正な取引の基準に関する命令」の規定による命令に違反した場合
- 酒類の販売の競争が激化することで酒類の製造業や販売業の経営が悪化したり、悪化していくことにより酒税が滞納されたり脱税されることを防ぐため、酒類販売業者の取引状況によっては勧告や命令をしたりしますが、その命令に違反すると販売業免許の取り消しになる場合があります。
3 財務大臣は、第一項の規定に該当する場合において、前二項の規定による勧告又は命令によつては第一項に規定する事態を解消することができないと認めるときは、当該勧告若しくは命令をした後又は当該勧告若しくは命令と同時に、あるいは、酒類販売業者の取引の状況により特に必要があると認めるときは、当該勧告若しくは命令をしないで、同項第三号から第五号までに掲げる事項につき内容を定めて、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会若しくは酒販組合に加入していない酒類販売業者に対し、これに従うべき旨の勧告をし、又は前項の規定に準じ、酒類販売業者に対し命令することができる。
第八十六条の四 財務大臣は、前条第四項の指示を受けた者がその指示に従わなかつた場合において、酒税の円滑かつ適正な転嫁が阻害され、又は阻害されるおそれがあると認めるときは、その者に対し、当該指示に係る公正な取引の基準を遵守すべきことを命令することができる。
酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第84条第86条より抜粋

なるほどね。免許を受けたときに決められたことをしっかりやって、これからもちゃんと酒類販売業ができるといいね!何かあったらアイセイ事務所に相談したらいいね。

