酒類販売業免許の相続をしたい

このあいだ知り合いで酒類販売業をやってる人に相談されたんだけど、一般酒類業免許を持ってる人に不幸があったらしくて。酒屋さんをずっと前からやっていたからお店を潰しちゃうのも悲しいからできれば相続してお店を続けたいんだけど、誰でも相続できるのかって心配されてたんだよね。

不幸があったんだね。悲しいね!せっかくずっとやってたお店を失くしたくないって気持ちもとってもわかるワン。できればそのまま引き続いてやっていきたいってことだったら、酒類・酒母・もろみ製造業、酒類販売業相続申告ってのをやって相続の手続きをしたらいいと思うワン。

相続できるんだね!酒類販売業は人に付与される免許って考えだったから相続はできないもんだとばっかり思ってた!ならよかった~。さっそくその知り合いに電話してあげよう・・・。

ちょっと待つワン。相続でも、誰でも相続できるって簡単でもないんだワン。
酒類販売業免許の相続するためには
酒類販売業(製造者)が死亡して相続人がその酒類販売業を引き続いて行う場合には、相続人が酒類・酒母・もろみ製造業・販売業相続申告書で申告します。
相続の場合は相続人が酒税法第10条第1号から第3号までと第6号から第8号までに規定する者でなければ、被相続人が受けていた酒類販売業(製造者)免許を受けることができます。
酒税法第10条第1号~第3号と第6号~第8号までとは?
- 申請者が酒類の免許、アルコール事業法の許可の取り消し処分を受けていない
- 酒類の免許、アルコール事業法の許可の取り消し処分を受けたことがある法人のその取消原因があった日以前1年以内にその法人の業務を執行する役員の場合は、取消処分を受けた日から3年を経過していること
- 申請前の2年以内に国税、地方税の滞納処分を受けたことがないこと
- 国税、地方税に関する法令等に違反して、罰金の刑に処せられた場合または通告処分を受けた者の場合は、刑の執行が終わっているか、執行を受けることがなくなった日かその通告の旨を履行した日から3年経過していること
- 未成年者の法定代理人が欠格事由に該当していないこと
- 未成年者飲酒禁止法、風俗営業等の規制および業務の適正化等に関する法律(20歳未満の者に対する酒類の提供に係る部分に限る。)、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、刑法(傷害、現場助勢、暴行、凶器準備集合および結集、脅迫または背任の罪)または暴力行為等処罰に関する法律の規定により、罰金刑に処せられた者である場合には、その執行を終わっているか、執行を受けることがなくなった日から3年を経過していること
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わった日または執行を受けることがなくなった日から3年を経過していること

相続の場合は普通の新規の酒類販売業免許申請よりも要件が緩和されてるニャ。だけど、相続申告書と一緒に酒類販売業免許の免許要件誓約書は提出しないといけないから、第10条の人的要件以外の経営基礎要件で心配な場合は個別で相談したほうがいいかもしれないニャ。いつもなら3年以上の酒類販売の経験などが必要とか結構厳しいけど、相続の場合はそこらへんが結構緩和されてるニャ。酒類販売とかまったく未経験で相続できるかどうかは一応法律的にはいけますよってニュアンスだニャ。

え!じゃぁもしかして相続できない場合も出てくるかもしれないってこと?

一応法律的には酒税法第10条の第1号から3号までと第6条から第8号までに規定しない場合は相続できるとなってるから大丈夫だと思うけど、後は管轄の税務署の担当者次第の可能性があるニャ。もし経営経験がない人が相続した場合は免許は相続できますけど、その後の経営のことは知りませんよ的な、自己責任って感じになるニャ。だから、せっかく相続するならある程度知識とか経験がある人がいいとは思うニャ。せっかくのお店を潰しちゃったら悲しいニャ。
酒類販売業者の相続の必要書類・添付書類など
| 必要書類と添付書類・様式 | 記載例・注意点など |
| 酒類・酒母・もろみ製造業販売業相続申告書 様式:CC1-5131 | ![]() 【注意点】 ・「酒母・もろみ製造所販売業相続申告書」の不要の文字は消します ・酒類販売業を相続するものが複数いる場合は連名で申告書を提出します ・申告販売場の種類販売管理者(の選任予定)の欄には申告販売場の酒類販売管理者として選任している・選任予定の人の氏名、役職などを記入します ・相続人において引き続き製造もしくは販売しようとする酒類の品目又は酒母、もろみの別の欄には引き続いて販売する酒類の品目を記入します ・被相続人の免許に付けられていた条件又は期限の欄には条件や期限があれば記入します ・製造場又は販売場の所在地及び名称の欄には土地の登記事項証明書に記載されている地番や市町村が定めた住居表示を記入します ・相続申告書の下蘭の製造業・販売業を相続しない者の住所、氏名及び相続人との続柄等の欄に書ききれない場合は下記の相続放棄書にその旨を記入します |
| 酒類販売業免許の免許要件誓約書 | ![]() ![]() ![]() |
| 被相続人と他の相続人との続柄が明らかになる書類 | ・戸籍謄本 ・戸籍抄本 ・法定相続情報一覧図の写し 上記のうちのいずれか(複写したもの含む) |
| 酒類販売業相続放棄書 様式:CC1-5131-1 ※他の相続人の意思表示等 | ![]() 【注意点】 ・相続申告書の下蘭の製造業・販売業を相続しない者の住所、氏名及び相続人との続柄等の欄に書ききれない場合はこの書類にその旨を記入します ・相続人の中に酒類販売業を相続しない者は提出が必要 ・相続しない者が複数の場合はそれぞれ記入して提出します ・包括遺贈の場合はその包括受遺を証明する書類の写しが必要 ・公正証書または公証人が証明した書類で酒類販売業の相続内容が確認できる場合はその書類の写しでも可 |
| 相続放棄書の提出者の本人確認書類 | ・印鑑証明書 ・運転免許証 ・健康保険の被保険者証 ・その他法律等の規定に基づいて交付された書類で本人確認できるもの 上記の書類の写しいずれかを添付 |
| その他必要と認められた書類 | ・審査の段階で必要とされる書類がある場合は別途提出することがあります |
| 申請書等チェック表 | ![]() ・確認欄に〇をつけて確認します ・省略した書類には斜線を引きます |
※酒類等の製造免許相続の申告書を提出する場合は書類名などが上記の書類とは異なる場合があります
相続できない人
酒税法第10条第1号~第3号と第6号~第8号までに該当している場合は相続できません
提出先
販売場(製造場)の所在地を所轄する税務署
提出期限
相続が発生したら遅延なく
手数料
手数料はかかりません
処理期間
原則2か月以内
※申請内容や書類の不備などで2か月以上かかる場合もあるので注意が必要です

相続の場合は色々緩和されてるとは言え、その後も酒類販売業を続けていくならちゃんと経営を継続していける人が相続するのが大事だね・・・。伝えておこう。







